基礎工事と上棟を終え、本物件はいよいよ木工事・断熱工事・内装工事へと進んでいきました。
この工程は、住宅の見た目をつくるだけではありません。
むしろ高気密高断熱住宅においては、最終的な性能を決定づける最重要工程と言える部分です。
完成後には壁の中に隠れてしまうからこそ、断熱・気密・防湿の考え方を明確にしながら、一つひとつ丁寧に施工を進めました。
①木工事 ― 構造精度を整える工程

上棟後は、まず木工事が進んでいきます。
柱・梁・間柱・下地材などを組み上げながら、建物全体の構造精度を整えていきます。
高気密高断熱住宅では、木工事の精度がそのまま断熱施工や気密施工のやりやすさにつながります。
• 下地の通りが出ているか
• 面材やサッシ周辺に無理がないか
• 後工程で気密ラインを壊さない納まりになっているか
こうした点を現場で細かく確認しながら施工を進めました。
特に本物件では、大開口を採用しながらも耐震等級3を確保しているため、構造と意匠、性能のバランスを意識した木工事になっています。
②付加断熱施工 ― ネオマフォーム30mmを採用

本物件では、外壁側にネオマフォーム30mmによる付加断熱を採用しました。
付加断熱とは、柱間断熱だけではなく、構造の外側にも断熱層を追加する工法です。
木造住宅では、柱や梁などの構造材部分が熱橋(ヒートブリッジ)となり、断熱性能低下の原因になることがあります。
そこで本物件では、外側に連続した断熱層を設けることで、
• 熱橋の低減
• 外気の影響を受けにくい外皮性能
• 冬場の表面温度低下の抑制
を図っています。
なぜネオマフォームを採用したのか

ネオマフォームは、非常に熱伝導率の低い高性能断熱材です。
限られた厚みでも高い断熱性能を確保できるため、
• 断熱性能を高めながら外壁厚を抑えやすい
• 開口部との納まりが整理しやすい
• 付加断熱との相性が良い
といったメリットがあります。
高気密高断熱住宅では、単純に断熱材を厚くするだけではなく、
「どこに」「どう連続させるか」が重要になります。
そのため本物件では、断熱ラインを切らさないことを意識しながら施工を行いました。
③セルロースファイバーによる断熱施工

柱間には、セルロースファイバー105mmを施工しています。
セルロースファイバーは、木質繊維系の断熱材であり、
• 断熱性能
• 調湿性能
• 防音性能
に優れている材料です。
特に調湿性は大きな特長で、壁体内の急激な湿度変化を抑えやすく、結露リスク低減にもつながります。
また、本物件では吹込み密度にも配慮しながら施工を行い、将来的な沈下や断熱欠損が起きにくいよう管理しています。
④防湿・気密施工 ― C値0.109へつながる工程

断熱施工と並行して、防湿・気密施工も進めていきました。
高断熱住宅では、断熱材の性能だけでは不十分です。
どれだけ高性能な断熱材を使用しても、隙間が多ければ空気と一緒に熱が逃げてしまいます。
本物件では、
• 防湿気密シートの連続施工
• シート重ね部の気密処理
• サッシ周辺の取り合い処理
• 配線・配管貫通部の気密処理
を徹底しながら施工しました。
特に天井・壁・開口部の取り合いは、小さな施工誤差がC値に大きく影響するため、現場内で共通認識を持ちながら進めています。
最終的に記録したC値0.109は、こうした一つひとつの積み重ねによって実現した数値です。
⑤内装工事へ ― 空間が完成へ近づく

断熱・気密施工完了後は、石膏ボード施工などの内装工事へ進みます。
ここまで来ると、住宅は一気に“空間”としての表情を見せ始めます。
しかし、内装工事に入った段階でも、当社では「性能を壊さない施工」を重視しています。
例えば、
• ボード施工時の気密層損傷防止
• 開口部まわりの精度管理
• 下地施工時の納まり確認
など、最後まで細部を確認しながら施工を進めました。
⑥見た目だけではない、本当の快適さへ
家づくりでは、完成後のデザインに目が向きがちです。
しかし、本当に快適な住まいをつくるためには、壁の中や天井裏など、完成後には見えなくなる部分をどこまで丁寧につくれるかが重要になります。
本物件では、
• RKS工法による基礎
• 付加断熱+セルロースファイバー
• 高精度な気密施工
を組み合わせることで、実際の暮らしの中で快適さを実感できる住宅性能を目指しました。
次回はいよいよ、完成間近となった内装仕上げや設備工事、そして気密測定についてご紹介していきます。

